イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

騎士道

ヴェネツィアの、とあるホテル。朝食を終え、レセプション横のサロンで休憩していると、日本人の若夫婦が入ってきました。深々とソッファに腰を下ろすと、彼女はやおら膝に置いた美麗な箱から化粧道具を取り出し、注目を得るように顔のメイクを始めました。彼はそれを眺めています。

そこに中年の外国人女性3人が入ってきました。それを目にするやギョッとした風で何やら囁き合い、何か不潔なものでも見たかのように3人とも直ぐさま、顔を顰めて踵を返してしまいました[外国では人前で化粧をするのは、売笑婦の、男の気を引く行為とされています]。

同じホテルで。エレベーターに乗ると、後ろから壮年の日本人夫婦が乗り込んできました。部屋の階で止まると、長身の夫は胸を張って大股で先に降り、ドンドン進みます。小柄の妻は2メートルほど後ろから俯きかげんに小走りに追っ掛けていきました。

他の場所で見かけたことです。初老の外人夫婦がある入口に近付くと、良人は先に急いでドアを開け、(押さえている必要はないのですが)配偶者が通り過ぎるまでそれを手で押さえていました。彼女が中へ入るや、ドアを閉め、後から彼女の腕を捉え、手を組んで入っていきました。日本人男性にはとても出来ない事だと思われました。

ヴェーネト地方のヴィチェンツァからバッサーノ・デル・グラッパへバスで行った時、途中のバス停から高校生位の青年が2人乗車してきました。次の停留所で老婦人が乗ってきました。件の若者達は前の方に座っていたのですが、直ぐに立ち上がり、彼女に席を譲りました。

暫く先の駅で彼女が降りようと立ち上がると、直ぐに1人が彼女に手を貸し、もう1人は下車して待ち、彼女が降りてくるのに手を差し出していました。感動しました。終ぞ日本では目にしたことのない光景だったからです(知り合いだったようには見えませんでした)。

ヴェネツィアではヴァポレットが fermata(停船場)に着くと、船の車掌が先に下りて駅名を言ったり、「下がってますから、注意して下さい(Attenzione, bassa, bassa!)」等声を掛けます。彼に手を取って貰いたい(?)老婦人は昇降時直ぐ彼の前に立ち、手を添えて貰います。そうでなくとも、杖を突いたような老婦人には彼が手を貸すのは極当たり前の光景です。

老人は男としての誇りがあるのでしょう、車掌が手を貸す様子は見たことがありません。

この2月、異常渇水時は、浮船になった停留所が激しく水位が下がり、桟橋と繋ぐ、渡しの板の角度が30度近い急斜面になり、ヴェネツィアに多い足の悪い老人達には危険極まりない状態でした。流石に、その時間帯(夕方の散歩に出掛ける時間に合致)停留所には老人の姿がありませんでした。
  1. 2008/03/07(金) 17:53:41|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手知ったヴェネツィアを先ずは訪れて、各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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