イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

聖パトリックの井戸

2008.12.06日で書きましたサン・マルティーノの祝日で、固有名詞を使った熟語を列挙しました。その中で、essere il pozzo di San Patrizio(アイルランドの聖パトリックの井戸)=底なしに強欲である。尽きることのない財産(着想)である、との意を辞書から転写しました。

ローマの北100kmにオルヴィエートがあります。この町ではオルヴィエート大聖堂が先ず有名だと思われますが、他にも教皇館やポーポロ館等の13世紀の邸館が数多く残っているそうです、更にまたエトルリアのコレクション等。

この町は標高300mの地点にあるため、干魃の時などのため深い井戸が掘られ(教皇の意向だったとか)、NHK・TVのカメラが入り、井戸内部の《まいまい井戸》の様子を放映したことがありました。veneziafilo の私はあまり記憶していないのですが、百科事典によりますとこの《聖パトリック井》は次のようです。

「オルビエト市の聖パトリック井は特殊な構造のまいまい井戸で、1527年から10年掛けて凝灰岩中に掘られた。竪井戸は直径4.7m、深さ58.4mで、螺旋状に回って12まわりを248段の階段で下り、もう一つ別の階段で上ることができる。」

この百科事典の記述で、《聖パトリック井》と名付けられた井戸から essere il pozzo di san Patrizio という諺言が生まれたと早とちりしていました。《尽きることのない着想》の源泉はここだと。[この井戸の名前はアイルランドの聖パトリックの洞窟に似ているとして命名されたことを後に知りました。]

しかしケルト族のアイルランド各地に教会を建て、人々をカトリックに改宗させ、アイルランドの教会をカトリック教会の一員として組み立て、死後アイルランドの守護聖人となった聖パトリック(c389~c461)と聖パトリックの井戸との関連が今一つ明確ではありませんでした。

『名前辞典』を読んで見ました。聖パトリックには生前から多くの伝説や奇跡があったと言われているそうですが、そうした伝説の一つに、有名な《聖パトリックの井戸》というのがあるそうです。アイルランドのある小さな島(Lough Derg)に洞窟があって、キリストが聖パトリックをそこが煉獄の入口だとして案内したといいます。その洞窟の奥まで入るとあらゆる罪の許しが得られるというのです。
名前辞典『Duizionario dei Nomi italiani』しかしそこまで入ると、人々はもう光を見ることは出来ません。その事から essere il pozzo di san Patrizio という俚諺が生まれたのだそうです。それは、結果の事など頓着せず、大金を注ぎ込み、行動にのめり込む人々や物事を指すようになった、ということだそうです。

イタリアでは Patrick の伊語の男性形 Patrizio はあまり普及せず、女性形 Patrizia の使用が定着し、映画・テレビの影響などで流行りの名前となったようです。アイルランドでの守護聖人の祝日3月17日が、この名を持つ人の聖名祝日となります。
  1. 2012/09/29(土) 00:01:16|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手を知ったヴェネツィアを先ず訪れて、イタリア各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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