イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

ヴェネツィアの建物: サン・グレゴーリオ修道院とPalazzo Genovese(ジェノヴェーゼ館)

サン・グレゴーリオ修道院にピッタリ接して大きなジェノヴェーゼ館が低い修道院と対照的に偉容を誇っています。グレゴーリオ修道院についての『大運河(Il Canal Grande)――建物とその一家』(1993年刊)の説明は次のようになっています。
ジェノヴェーゼ館「1160年、サンティラーリオのベネディクト派の修道士によって創建され、14世紀に再建され、1775年には廃止された。右隣のジェノヴェーゼ館に場所を提供するために、1800年代一部が壊されたが、柱のアーキトレーヴ配置を残す1300年代のゴシック様式の回廊と、同時代の表玄関(三葉飾りの背の高い窓が両脇に置かれ、門の上には祭壇上の聖グレゴリウスの壁龕がある)は残された。

1461年頃の教会の後陣は、大運河からも見ることが出来、透かし細工の特徴的窓と入り組んだ中空のアーチも視認出来る。1805年修道院は廃止され、現在は文化財保護修復センターが入っている。」

道理で、発想の異なる建物が不自然に接しているのが分かりました。
『ヴェネツィアとその入江』(1926)はジェノヴェーゼ館について次のようなコメントをしています。

「古い建物風に建てられ、修道院の中の第二の回廊風を取り入れ、1892年に建てられたゴシック・スタイルの新しい建物である(建築家トゥリコーミ・マッテーイ)。」

『大運河――建物とその一家』(1993年刊)は次のような評価を下しています。

「頑ななまでに左右が完全なシンメトリーに設計されたネオゴシック様式の巨大な建造物。サン・グレゴーリオ修道院のゴシック様式の第二の回廊を取り壊して、建築家トゥリコーミ・マッテーイにより1892年建てられた。そのあまりにも大きい容積は、大運河のこの周りのバランスを壊しており、一部サルーテ教会の景観を奪っている。」

『ヴェネツィア』(望遠郷5、ガリマール社・同朋社出版編、1994年8月23日発行)の、古い時代のものと思われる大運河沿いの建物景観図を見ますと、大運河沿いに広大な敷地を占めたサン・グレゴーリオ修道院は、その3分の2近くが取り壊されて、ジェノヴェーゼ館が建てられた様子が読み取れます。
サルーテ教会を望むこの建物は現在は五つ星のホテル《Centurion Palace》となっているそうです。アッカデーミア橋に立ってサルーテ教会方向を見ますと、やはりこの建物によって教会の雄姿が大きく遮られているのが分かります。
  1. 2009/09/05(土) 00:01:45|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手を知ったヴェネツィアを先ず訪れて、イタリア各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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