イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

Rio tera` S.Paternian(P)

10月31日に書いたブログ《エミリア書店(Libreria Emiliana)》のところで間違いを冒していました。

サン・パテルニアーン埋立て通り(Rio tera` S.Paternian)で触れた、《アルド・マヌーツィオ2世》の碑文は、よく読めば下記の原文のようにアルド(本人)、パーオロ(息子)、アルド2世(孫)と書かれているため、リーオ・テラ・セコンドに印刷所を開いたアルドがここに引越したということでしょうか。孫のアルド2世からではなかったようです。
アルド・マヌーツィオの碑碑文「Aldo Pio, Paolo, Aldo II Manuzi, principi dell'arte della stampa nel sestodecimo secolo coi classici libri da questo luogo diffusero nuova luce di civile sapienza(アルド・マヌッツィオ、パーオロ(息子)、アルド2世(孫)は16世紀の印刷出版の王者である。この地から古典書で新しい文明の知の光を弘めた)……」。

アルドはヴェネツィアに到来する前、ラテン語・ギリシア語の教師をしていたそうで、到来後でしょうかアンドレーア・トッレザーニに、自分の著書を印刷してもらっています。

そのアンドレーアは、マインツで修業しヴェネツィアで活躍中の仏人印刷者ニコラ・ジャンソンの印刷所に弟子入りし、彼の印刷技術を習得し、さらに1480年彼が亡くなる前、彼の印刷所の活字母型などを引き継いでいたのでした。

アルドが印刷出版を手掛けたいとの意向を知って、アンドレーアが彼の後援者の一人となります。そして彼の印刷所が1494年にリーオ・テラ・セコンドにオープンしたのです。

1505年アルドが後援者アンドレーアの娘と結婚した時、彼は印刷所をこのサン・パテルニアーン埋立て通りに移したのでした。彼とアンドレーアの出版傾向は異なるようですが、妻の実家に引っ越したということでしょう。

彼の《アルディーナ・アッカデーミア》は、この地に創設されのだそうです。ギリシア語だけを使用して、ギリシア文化等を語る文化サークルです。そんなところにエラスムス(伊語Erasmo)が自分の本の出版の依頼にやって来たのだそうです。

1515年彼は亡くなります(旧サン・パテルニアーン教会には彼の死亡記録があったようです)。息子のパーオロは末子で幼く、祖父アンドレーアはパーオロが事業を引き継げるようになるまで、面倒をみたようです。そのお陰でしょう、ヴェネツィアの正統的印刷所は3代続きました。

ヴェネツィアについてのある訳本を読んでいて、Campo S.s.Filippo e Giacomo が「サンティ・フィリッポ・エ・ジャコモ聖堂前の広場」と訳されていたので、ヴェネツィアの地図を見てみました。その伊語の地図は Campo Santissimi Filippo e Giacomo(?) となっているので他の資料も探しました。

かつてゴシック様式のサンティ・フィリッポ・エ・ジャーコモ教会が、カノーニカ(Canonica)橋の傍に建っていたそうですが、19世紀に宗教施設としての役目が終わってしまい、この名の教会は現存しませんから、単に《サンティ・フィリッポ・エ・ジャーコモ広場》がいいようです。

間違いを冒さないということは大変難しいことです。注意していても思い込みで書き過ぎ、つい書いた事に胡坐をかいてしまいます。出来るだけ注意深くあることに努力するしかないようです。
  1. 2007/12/13(木) 16:31:32|
  2. | コメント:0
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手を知ったヴェネツィアを先ず訪れて、イタリア各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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