イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

バーカロ(2)

ヴェネツィアの語学学校のテキストから訳出――「バーカリ(Bacari)  バーカロ(bacaro)とはヴェネツィアではオステリーア(食堂)を意味する。そこではチケッティ[つまみの肴=チケーティ(cicheti ヴェ語)=cichetti(伊語)]やオンブラ[ombra(ヴェ語)=ワインのこと]をカウンターで注文出来る。ある店では座る席もあり、温められたチケッティを食することも出来る。
バーカロ地図、リアルト[リアルト橋近辺のバーカリ地図] ド・モーリ(Do Mori)[2人のムーア人の意、サン・ポーロ区ド・モーリ通り(Cl.dei Do Mori)429番地。日曜と水曜の午後は休業]  入口が二つあり、薄暗い空間である。美味のワイン・リストが常備されており、値段もワイン・ショップより抑えた価格で、その中には Picolit から Tignanello まである。お勧めの雄牛の後頭部の肉(coppa di toro)、《切手(francobolli)=小さなサンドイッチ》、他に通常のオンブラに最適の日替わりで作られる美味しい物が並べられている(*)。
カンティーナ・ド・モーリ入口ド・モーリ通り側の入口。裏側の通りプリマ・ガリアッザ[1° Galiazza(ヴェ語)=大型ガレー船]通りにも入口があります。
[この店は1462年に開業したそうです。朝の8.30~20.30の営業で、日本の居酒屋とは発想が丸で違います。店内には座る席はなく、バールではないのでコーヒーもありません。美味と言われているプロセッコ[prosecco(ヴェーネト地方のスパークリングワイン)=spumante(伊語)]から始めて、ひたすらチケッティとオンブラを飲食します。ヴェネツィア人はオンブラの白を飲む人が多いように見受けられます。]

ラ・カンパーナ(La Campana)[サン・マルコ区ファッブリ(Fabbri)通り4720番地。日曜休み]  メニューは外の黒板にヴェネツィア語で書いてある。入店するやその日のスペチャリタ(特別料理)が入ったショーケースと大きなカウンターがある。ヴェネツィア語の詩が壁に貼ってあり、チケッティは最高である。

アル・ポルテゴ(Al Portego)[カステッロ区マルヴァジーア(Malvasia)通り6015番地(サン・リーオ教会側)。8.00~22.00、日曜閉店]  アーティチョークに小蛸を乗せた物(folpetti)、当店風の辛味のサラミ・ソーセージ(salami)や小蝦蛄の料理(pannocchiette)等が色々の大皿小皿に盛りつけてある。腰を下ろして飲食出来る席もある(*)。
[folpetti(ヴェ語)は folpo(蛸)の縮小辞で、ヴェネツィアでは8本足に吸盤が一列並んだ蛸の意で、辞書には moscardino(伊語―麝香の匂いのする麝香蛸)とあります。吸盤が2列の普通の蛸は polpo(伊語)と言い、同義語に piovra、ottopodi 等があります。]

カ・ドーロ(Ca' d'Oro―Alla Vedovaのこと)[カンナレージョ区ピストール(Pistor)通り3912番地。11.30~14.30/18.30~23.00、木曜、日曜全休]  スペチャリタが並べられた素敵なカウンター。二つの部屋があり、奥の部屋には多くのお客のためのテーブル席が用意されている(*)。
バーカロアッラ・ヴェーチャ・カルボネーラ(Alla Vecia Carbonera)[カンナレージョ区マッダレーナ(Madalena)埋め立て通り2329番地。8.30~21.30、金曜土曜は~深夜2.00まで。月曜休み]  元々木炭小屋であった[carbonera(ヴェ語)=carbonaia(伊語)=木炭小屋、倉庫]。今でも部屋に古い酒樽が置いてある。上質のワインとパニーニ[panini=サラミ、生ハム、チーズ等を挟んだサンドイッチ]が美味しい[vecia(ヴェ語)=vecchia(伊語―古い)]。(*)
[サンタ・マリーア・マッダレーナ教会前の、サンタントーニオ橋左袂の《カルボネーラ》。NHK・TVの伊語語学講座の舞台となりました。]

ラ・パタティーナ(La Patatina)[サン・ポーロ区サオネーリ[Saoneri(ヴェ語)=石鹸製造者]通り2741番地(サン・ポーロ橋の袂)。9.30~14.30/16.30~21.00、日曜休日]  大きなポテトチップスとコロッケは気に入るだろうか。この店のそれを味わってみて欲しい。ローマ風サルティンボッカ[saltinbocca alla romana=薄切りした子牛肉と生ハムの間にセージを挟みバター焼きした料理]、モッツァレッラ・イン・カッロッツァ[mozzarella in carrozza=薄切りの食パンにモッツァレッラ・チーズを挟み、溶き卵を付けて油で揚げた温かいサンドイッチ]、野菜の揚げ物。

アッラッチュゲータ(All'Acciugheta)[カステッロ区サンティ・フィリッポ・エ・ジャーコモ(Ss.Filippo e Giacomo)広場4357番地。8.00~24.00、無休]  スペチャリタは、店名がそうであるように、アンチョビー[sardon(ヴェ語)=acciuga(伊語)=片口鰯]を挟んだ丸パン(panino)である。壁面に、画題にアンチョビーを描いた絵が数枚掛かっている(*)。

アッラ・ペルゴラ(Alla Pergola)[カンナレージョ区センサ運河通り(Fdm.de la Sensa)3318番地]  人気のないカンナレージョ区に足を踏み込んでみたければ、この店であまり目にすることのないテッティーナ[tetina(ヴェ語)=tettina(伊語)=牛の乳房肉]とルメガル[rumegal(ヴェ語)=反芻動物の胃]のような料理を目にするだろう。運河に面してテーブルを持つ居酒屋として、二つのサーヴィス料込みのツーリスト・メニュー16000リラ、20000リラがある(*)。
[当時100リラが7円位でした。この学校の教科書の紹介はリラ時代のものでしたので、これらの記述には変更になったり、消滅してしまったもの等が多々あるかも知れません。]
ド・スパーデド・スパーデ(Do Spade)[2振りの剣―サン・ポーロ区レ・ド・スパーデ通り(Cl.de le Do Spade)860番地。木曜午後と日曜休み]  食べてみたい物の中に、辛口のタルティーネ[tartine=一口大のパンにバター、チーズ、アンチョビー、アスパラガス、卵などを乗せたカナッペ]がある(*)。

アーエ・ド・マリーエ(Ae Do Marie)[カステッロ区ローリオ通り(Cl.de l'Ogio[(ヴェ語)=olio(伊語、オリーヴ油)]3129番地]  古いスタイルの居酒屋である。

アル・ポンテ(Al Ponte)[カンナレージョ区ラルガ・ジャチント・ガッリーナ通り(Cl.de la larga Giacinto Gallina)6371番地。8.00~21.00、日曜休日]  サンティ・ジョヴァンニ・エ・パーオロ広場直前[カヴァッロ橋(P.Cavallo)の袂]にある(*)。
バーカロ・アル・ポンテ「ダ・アルベルト」ダ・アルベルト(Da Alberto)[カンナレージョ区ラルガ・ジャチント・ガッリーナ通り(Cl.de la larga Giacinto Gallina)5401番地。日曜休日]  とりわけチケッティが豊富で、辛子のきいた温かいムゼット[museto(ヴェ語)=musetto(伊語)=豚の皮や頭の肉等の大型のソーセージ=salsicciotto(伊語)]、ソップレッサータ[sopressada(ヴェ語)=soppressata(伊語)=豚の頭の肉、足、屑肉等で作る腸詰め]やサラミ・ソーセージ(salame)、また揚げたバッカラ[bacala`(ヴェ語)=baccala`(伊語)=切り開いて塩漬けにした鱈]がある(*)。
[サンティ・ジョヴァンニ・エ・パーオロ教会前の橋を下ると左の赤い《アル・ポンテ》、座る席が沢山あります。その道をそのまま少し行くと右手の《ダ・アルベルト》です。2013年現在立ち飲みを止めてしまいました。直ぐ傍のテースタ通り(Cl.de la Testa)にアパートを借りたのでこの二つのバーカリは便利でした。]

アッラ・ランパ(Alla Rampa)[カステッロ区サンタントーニオ大通り(Sz.Sant'Antonio)[バンディエーラ・エ・モーロ・オ・デッラ・ブラーゴラ広場の直ぐ裏]3607番地。7.00~20.30、日曜休日]  古いタイプの居酒屋で、全くツーリスト向きではない。温かいムゼット(museto)を挟んだパニーノ(panino)がある(*)。

ヴィーニ・ダ・ピント(Vini da Pinto)[サン・ポーロ区レ・ベッケリーエ広場(Cp.de le Becarie)367番地。日曜夕方と月曜休み]  朝のリアルト市場が活況を呈している時間がお勧め[魚市場の直ぐ前]。バッカラ(bacala`)、アンチョビー、蛸(folpo)がある。奥に部屋もある(*)。」
  1. 2011/12/31(土) 00:03:46|
  2. バーカロ
  3. | コメント:2
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コメント

新年、おめでとうございます!

これはこれはお年玉みたいな、素晴らしいリストを有難うございます!!!
コピーして、貴重なリストとして、近くでお昼を食べる時の参考にさせて頂きます。

この秋にヴェードヴァに入ったのですが、予約なしでは満員で入れず、サン・アポストリからちょっと入った所のプロメッシ・スポージに行きましたが、ここが大変良かったです。
こういうのを一度味わうと、病みつきになりそうです!
その3もありますか?! はは。

と、マルヴァジーアが正しいのですね? マルヴァージアかどうか、迷っておりました。 有難うございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!

  1. 2012/01/01(日) 22:43:59 |
  2. URL |
  3. shinkai #-
  4. [ 編集 ]

shinkai さん、おめでとうございます。
プロメッシ・スポージにはまだ入ったことはありません。一度行ってみたいと思っています。看板が出ていて、そこには Cucina venexiana とあるそうで、いかにもヴェネツィア料理の店のようですね。
今年もよろしくお願い致します。
  1. 2012/01/02(月) 07:56:56 |
  2. URL |
  3. pescecrudo #/plE8HKU
  4. [ 編集 ]

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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手を知ったヴェネツィアを先ず訪れて、イタリア各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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