イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

言葉(2)――暗唱・朗読

かつてアントワーヌ・ド・サンテグジュペリの『Le Petit Prince』(最近沢山の和訳が出版、題名も区々です)を初めて読み終えた時、コロムビア・レコードから出ていたジェラール・フィリップ朗読のレコード(王子役はGeorges Poujouly)を聞きました。彼の仏語の美しさに感動しました。

その伊語訳を You Tube で検索してみますと、『Il Piccolo Principe』の定番訳なのか、ジェラール・フィリップの朗読と同じ構成の朗読が見付かり、聞いています。訳文とは言え、美しい伊語ではないでしょうか。
Il Piccolo Principeこのサイトで伊語朗読が聞けます。

「Il piccolo principe se ne andò a rivedere le rose. “Voi non siete per niente simili alla mia rosa. Voi non siete ancora niente", disse. “Nessuno vi ha addomesticato e voi non avete addomesticato nessuno. Voi siete come era la mia volpe. Non era che una volpe uguale a centomila altre. Ma ne ho fatto il mio amico e d'ora è per me unica al mondo."

“Voi siete belle, ma siete vuote", disse ancora. “Non si può morire per voi. Certamente, un qualsiasi passante crederebbe che la mia rosa vi rassomigli, ma lei, lei sola, è più importante di tutte voi, perchè è lei che ho innaffiata. Perchè è lei che ho messa sotto la campana di vetro. Perchè è lei che ho riparato col paravento. Perchè su di lei ho ucciso i bruchi(salvo due o tre per le farfalle). Perchè è lei che ho ascoltato lamentarsi o vantarsi, o anche qualche volta tacere. Perchè è la mia rosa."

E ritornò dalla volpe. “Addio", disse. “Addio", disse la volpe. “Ecco il mio segreto. E molto semplice: non si vede bene che col cuore. L'essenziale è invisibile agli occhi. È il tempo che tu hai perduto per la tua rosa che ha fatto la tua rosa così importante." “Tu diventi responsabile per sempre di quello che hai addomesticato. Tu sei responsabile della tua rosa……."
日本語訳は次の本の頁をご覧下さい。
内藤濯訳『星の王子さま』内藤濯訳『星の王子さま』からイタリアでも子供達がこの定番訳(?)を暗唱して、楽しんでいるに違いありません。小学生時代、森鷗外の『卽興詩人』の冒頭を暗唱しようと何回か挑戦したのですが、漢字の読みやカタカナ表記のローマ地名が難しかったのでしょうか、暗記出来ずに終わりました。

いいだ・もも著『神の鼻の黒い穴』(河出書房新社、昭和四十一年四月二十五日)の中に次のような小咄が載っていました。「聖金曜日の晩のこと、カラブリアの山賊たちが火を囲んで丸く坐っていました。そのとき、仲間の一人が言いました。〈おい、ベッペ、お前は話をたくさん知っているから、なにかいい話を聞かしてくれないか〉そこでベッペは胴間声で話しはじめました。《聖金曜日の晩のこと、カラブリアの山賊たちが……》……」と延々と話が繰り返されるという小咄です。

伊語の勉強を始めてから、面白がって中身を多少変え、この小咄を暗唱用に訳してみました。伊語クラスの忘年会の時、何かやれと言われ、これを披露しましたが、受けませんでした。それが次です。
《C'erano una volta alcuni banditi in una certa montagna in Calabria. Una sera fredda del venerdì santo, stavano seduti per terra in cerchio attorno al fuoco, bevendo vino. Uno di loro allora disse: “Dai, Beppe, sei bravo a raccontare. Perchè non ci racconti qualcosa di bello?" E subito dopo cominciò a narrare con una voce rauca. 《C'erano una volta……. 》…….

しかし結局いつでも暗唱出来る語句は、伊語を始めて最初に覚えた、フィレンツェのロレンツォ・イル・マニーフィコ(豪華王)が、カーニヴァルのために書いたと言われる『バッカス(酒神)の歌(Trionfo di Bacco e di Arianna―ディオニューソス(バッコスとも)とアリアドネーの勝利)』の冒頭の4行のみです。
[テーセウスのミーノータウロス退治に協力したアリアドネーは、ナクソス島(エーゲ海キクラーデス諸島最大の島)に彼と共に遁れますが、彼女は彼にこの島に置き去りにされます。そこへディオニューソスが来て彼女に恋をし、妻としました。結婚の贈り物に与えられた王冠は星座に変えられたと伝えられます。それ故古代この島は、ディオニューソスとアリアドネー信仰の中心地だったそうです。1207~1566年はヴェネツィア共和国領でした。2007.10.21日に 《アリアドネーの糸(Il filo d'Arianna)を書いています]
ロレンツォ・イル・マニーフィコ『バッカスの歌』
Quant'è bella giovinezza (若さとは何と麗し)
che si fugge tuttavia! (そは疾(と)く過ぎゆく)
chi vuol esser lieto, sia: (幸望む人、さ、あれ)
di doman non c'è certezza. (明日(あした)には確たるものなき故)
  1. 2012/03/17(土) 00:05:29|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手を知ったヴェネツィアを先ず訪れて、イタリア各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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