イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

ヴェネツィアの建物: コルネール・ヴァルマラーナ館(P.Coener Valmarana)とグリマーニ館(P.Grimani)

コルネール・マルティネンゴ・ラヴァ館から更に下(しも―サン・マルコ方面)へ移ると、コルネール・ヴァルマラーナ館が右隣にあります。この16世紀ルネサンス様式の建物は、2階3階の中央のセルリアーナ式窓の上部がアーチになった三連窓で、三連窓両脇に一面窓2面を従え、窓の間に彩色された大楯型や円形の装飾で飾られています。19世紀に修復されたそうです。
コルネール・マルティネンゴ館とグリマーニ館[コルネール・ヴァルマラーナ館とグリマーニ館]  グリマーニ館について『大運河』(1993)は次のような事を述べています。
Elsa e Wanda Eleodori『大運河』(1993)「ルネサンス様式の大建造物は、ミケーレ・サンミケーリ(1484San Michele Extra~1559Verona)の作品。コンタリーニの旧建物跡にジョヴァンニ・グリマーニの希望で建設され、工事は1556~57年に始まり、ジャン・ジャーコモ・デイ・グリージ[ベルガモの名のある建築家 Guglielmo dei Grigi の息子]の監督の下、1575年に完成した。

サンミケーリは基本として古代ローマに立ち戻り、入口のポルティコに凱旋門的発想を取り込み、2階3階の中央部にもそのアイデアを盛り込んだ。1階は縦溝装飾の角柱がセットされた濃密な調子が際立ち、角柱が連続するバルコニーを持つ力強い楣式(まぐさしき)構造が支え、2階3階へと次第に融け合いながら、上層階では滑らかな円柱に輝きが増し、アーチ状の大きな開口部が一際目を引く。
……
伝説が述べるところによれば、グリマーニ家の若者がある時、ティエーポロ家の娘を嫁に所望したが、要求はその若者が大運河に邸宅を所持していないからと断られた。恋する若者は恨みに思い、復讐心を胸に秘め、我が家の窓がティエーポロ家の玄関口を睥睨出来るような屋敷を作ることを誓ったのではないだろうか。
[大運河を挟んでグリマーニ館とティエーポロ館は向かい合っています。]
……
ここで1597年、総督マリーノ・グリマーニの妻モロジーナ・モロジーニの戴冠[dogaressa(総督夫人)になったこと]を祝う豪華なパーティが開かれた。ブチントーロ船が各種同業組合や団体が設えた大船列や貴族達のゴンドラの行列を従えて、彼女を迎えにやって来た。40人の貴紳、400人の貴婦人が儀仗隊となった。
……
グリマーニ家はまた音楽の大変な愛好家で、ヴェネツィアに有名な劇場を所持していた。知られている事は、もし音楽家であれば、使用人として雇い入れ、この館に住まわせた。契約は要求があればそこでいつでも演奏するということ。そして館は1805年まで一家の居宅であった。

グリマーニ家は10世紀から知られた家柄で、現在も存続している。旧い家系(case vecchie)には入っていないし、セッラータ(Serrata―貴族閉鎖、下記参照)前の黄金名鑑(Libro d'Oro)にも登録されていない。それ故新しい家系(case nuove)と考えられている。1400年代に頭角を現し、共和国の色々の分野で著名な人物を輩出し、3人の突出した総督アントーニオ(1521~23)、マリーノ(1595~1605)、ピエートロ(1741~52)を生んだ。」
[serrata――1297年と1307年に大議会の議員資格が特定の家柄に限定され、その家柄の全ての成年男子(25歳以上)は非嫡出や合法的に廃嫡された者を除き、大議会に議席を持ち、貴族と規定された――『ヴェネツィア貴族の世界』(永井三明著、刀水書房、1994年2月4日)より]  (次回に続く)
  1. 2012/06/23(土) 00:01:01|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手知ったヴェネツィアを先ずは訪れて、各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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