イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

アントーニオ・フォスカリーニ

先日2012年12月8日に書きました《モチェニーゴ館(2)》の最後で、Antonio Foscarini(1570.08.27ヴェネツィア~1622.04.20ヴェネツィア)について触れました。どんな人物であったか、Marcello Brusegan『ヴェネツィア人物事典(I personaggi che hanno fatto grande Venezia)』(Newton Compton Editori、2006)は次のような事を述べています。
『ヴェネツィア人物事典』「……ニコロとマリーアのバルバリーゴ夫妻の第三男として生を受けたが、5歳で父を亡くし、1582年には悲しくも母も自殺で亡くしたので、学業を終えるためにも何年間かパードヴァに越した。

1597年、初めて Ordini の委員[若者が政治活動を始めるのに5人の海事委員(savi agli Ordeni)の一人として開始することが16世紀には多かったとか]として公職に就く。それはより正確には外交職であった。1607年仏国での通常の外交官に選ばれたが、セレニッシマがヨーロッパの強国との国際的な政治関係を保っていられるように、アンリ4世との良好な関係を維持するという強い任務があった。

1610年7月5日、イギリスでの通常外交官に任命するという通達が届いた。その地でフォスカリーニはイギリスの外交的政治システムの中に容易に潜り込み、宮廷と個人的に良き関係を構築して念入りな情報収集を開始した。

しかし5年後の1615年、彼の個人的な、少々礼儀を重んじる丁重な態度がご機嫌取りで曰くありそうだとする噂に任務を辞めたかった(パリ時代も既にそんなあらぬ噂に苦しんでいた)。1616年ヴェネツィアに帰還し、国家機密漏洩罪で逮捕された。1618年の最後の尋問では完全に無罪が証明された。

新しい重要な任務を伴う公職を再開したが、1622年4月8日色々な混乱の中、1618年に彼を苦しめた同じ名誉棄損の罪で十人委員会の命で再度逮捕された。それは外国の要人の使節と秘かに会い、国家機密を手渡し、その情報の見返りに利を得ていたとするものであった。

判決は恐ろしいものであった。1622年4月20日フォスカリーニは夜間処刑された。明け方、サン・マルコ小広場の2本の柱の間に設けられた絞首台に彼の体は、頭を下に、脚から吊り下げられて揺れていた。

1年後(1623年)、十人委員会は全ヨーロッパの宮廷に対して親書を送った。《哀れなるアントーニオ・フォスカリーニの名誉は挽回された。事は国家異端審問所のスパイであったジェローラモ・ヴァーノと僧パーオロ・ダ・ヴェネツィアの両名が、殊更不正に中傷し、彼を誣告したものであった》と。

非常に厳しく恐れられたこの十人委員会の勇気ある威厳を持ったこの態度は、今日でも清廉の良き例であり、ヴェネツィアの政治家達による政治活動の中での気配りの例である。全ヨーロッパに非常な驚きと称賛で受け入れられた態度は、無実のアントーニオ・フォスカリーニに新たな命を再び与えることは出来なかったが。」
コッチーナ・ジュンティ・フォスカリーニ・ジョヴァネッリ館アントーニオ・フォスカリーニが誕生した館は、大運河右岸カ・ペーザロ館右、サン・スターエ教会左に今でも存在し、現在はP.Coccina Foscarini とか P.Foscarini-Giovanelli とか呼ばれている写真中央の建物がそれです。1700年代になり、マルコ・フォスカリーニ(在位1762-63)が総督に選出されます。
  1. 2012/12/12(水) 00:05:40|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手知ったヴェネツィアを先ずは訪れて、各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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