イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

ヴェネツィアの食

食の細い私も、野菜と魚には興味があって伊語でどう言うか等、必死で覚えましたが、ヴェネツィアの伝統料理には言葉の問題もあって目を逸らしてきました。
Ricetta venezianaヴェネツィア料理大全『ヴェネツィア料理大全―食の共和国からのおくりもの―』(アルヴィーゼ・ゾルジ序文、ピーニ・アゴスティーニのレシピ、ルカ・ステッフェノーニ写真、中山悦子訳、JICC出版局、1993年1月5日)を知り、読んでみました。序文の中でゾルジの、16世紀、フランスのアンリ3世到来時のヴェネツィア人の料理での接待の描写が白眉ですが、ここでは現代に近い、食の事情を引用してみます。

「……第一次大戦後は、さまざまな新しい食習慣や食事時間がもたらされた。全国共通のものとなるスパゲッティなどのパスタ類やミラノ風カツレツをヴェネツィアでも食べるようになる。だが、いくつかの習慣は残った。

筆者が子供の頃に楽しみにしていたのはサン・マルティーノの日の“ペルセガーダ”(固いマルメロ・ジャム)である。この聖人の祝日(11月11日)には、騎馬姿の聖人をかたどったお菓子を子供たちに贈る。ヴェネツィアではそれをマルメロ・ジャムで作り、銀色の砂糖玉で飾るのである(香料入りケーキ、パンペパートで作ることもあった)。

それから11月2日の故人の日に食べたソラマメ型の《故人のソラマメ》は、乾いてパリッとしたアーモンド菓子である。焼きナシのほか小ダコなども、背中に銅製の大鍋を背負った行商人が、「熱いよっ、ゆでたてのアツアツ!」と声を上げて売り歩いたものだ(今ではこの銅鍋は骨董品ものなのだそうである)。

焼き栗や焼きイモも、よく道端で売っていた。リドの海岸で遊んでいて、カラメル売りの姿が見えると、我々子供たちは大騒ぎだった。「子供たち! カラメルのベーピが来たよ!」 これにははしゃがずにはいられなかった。果物を砂糖のカラメルでくるんだこの菓子は、今も道端で売っているが、贅沢な晩餐の飾りにも使われるそうである。

道で売っているものといえば、ほかにも“カラゴイ"(海の小カタツムリ)や“ガルーゾイ”(海のカタツムリ)などの美味な貝があった。これは、健康管理にうるさい、尊敬すべきヴィヴァンテ教授の指揮する市の衛生局が、やっとのことで追い払った。

その頃のヴェネツィアのトラットリアの多くはまだ、面白い発見の場であり続けた。歴史的に見ても、芸術、文学、そして料理の点からでもである。有名な《タヴェルナ・ラ・フェニーチェ》は、これまた有名なオッターヴィオ・ゾッピがやっていたが、マルセル・プルーストが友人の画家キース・ヴァン・ドンゲンとともに寄ったところである。

一方、“マガゼン”も“バスティオン”も失った庶民たちは、荒削りのトラーニを飲ませる“バカロ”に足を運んだ。 ……」
 ――『ヴェネツィア料理大全』(中山悦子訳、JICC出版局、1993年1月5日)より

一例《グリーンピースのリゾット》のレシピをどうぞ。
グリンピースのリゾットグリンピースのリゾットの写真  料理一覧料理一覧 2料理一覧 3ワインリスト
[上記ペルセガーダ(Persegada―ヴェ語)とは、甘い桃(persica(伊語)=persega(ヴェ語))の代わりに、かつてはヴェーネト一帯の農家の畑によくあったマルメロ(生食不適、marmelo葡語=cotogno伊語)で代用してジャムとして作られたため、名前だけが残ったものだそうです。2008.12.08日のS.Martinoも参考までに。]
  1. 2013/03/16(土) 00:02:19|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手知ったヴェネツィアを先ずは訪れて、各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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