イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

ヴェネツィアの建物: マリピエーロ・カッペッロ館

グラッシ館、サン・サムエーレ広場を過ぎると右にマリピエーロ・カッペッロ館があります。E.&W.Eleodori『大運河』(Corbo e Fiore Editori、1993)は、マリピエーロ・カッペッロ館について次のような事を書いています。
マリピエーロ・カッペッロ館「この建物は1622年、マリピエーロ家の求めで再建されたもので、サン・サムエーレ広場に面するファサードの窓と大門だけはカッペッロによって残された、ゴシック様式の建物である。スタイルはごく単純だが、中心線がやや右寄りになっており、二つの相似形の大門の上の階の五連窓を強調している。

アレッサンドロ・ヴィットーリアの教えを記憶に留めるバロック様式の要素はバルダッサ-レ・ロンゲーナの若き日の作品の面影を偲ばせる。素晴らしい庭が我々を喜ばせる。

マリピエーロ家は《新しい家》に数えられる一家であるが、908年から大議会に参加し、総督2名を輩出したが、その分家は19世紀には消滅してしまった。

クロアツィアのザダル(Zara)の反乱を鎮圧した最初の総督オルト(1178~92)は、イスラエルのアクル(Acre)[古くはAcco、伊語San Giovanni d'Acri]の攻略に赴いた第3次十字軍に参加した。しかし14年間の政治家としての仕事の後、1192年一介の修道僧としてサンタ・クローチェ修道院での生活を選び退位した。

2番目の総督パスクァーレ(1457~62)はフォースカリ[最長の総督Francesco(1423~57)]の後を継いだが、一家の他の人達と同じように輝かしい外交官であり、勇猛なる戦士ではあったが、何よりも先ず女性にとって素晴らしい伴侶であったと年代記には書かれている。

15世紀、本土(terraferma)とレヴァンテ(地中海東岸地域)でヴェネツィアは絶え間なく戦争行為を続けていたが、観光業は花開き、慎重に管理処理されていた宿泊施設は重要な産業と思われ、それ故、既に1341年にはある年代記は次のように述べている。

《新しい魚市場に“カンパーナ”という名の宿屋がある。下に小さな店が並ぶ。しかしそこから年に800ドゥカート以上の賃借料の収入がある、素晴らしいことである……とてもいい場所なので一軒の宿屋から250ドゥカートが支払われる……》。マリピエーロ一族のある一家のプリアーモは、こうした食事も出来る宿を10軒ほど所有していた。

この頃の事として言われていることは、大議会がこうした安宿から娼婦を排除するよう命じたということである。しかし多くの貴族のそうした宿の所有者は、客がいなくなり、商売が上がったりになるとして、通告に反旗を翻し、上訴したということである。そして旧態依然に復した。

アンジェロ・マリピエーロとかいう人は、ヴェネツィア共和国が滅亡した1797年に追放刑になり、ジュデッカ島に閉じ込められた。彼は錯乱のあまり気が違った。数ヶ月後帰郷出来る自由を得た時、十人委員会が自分を追放刑に処したのだから、ちゃんとした通告だけが自分を自由にすることが出来るのだと言って動こうとしなかった。

そこで家族は、彼に帰るように命じるために、簡単に言えば、指揮官に扮した人間を送り込んだ。そしてアンジェロは先祖伝来の我が家に戻り、今でも旧共和国の臣民であることを納得し、1826年その地で死んだ。

この世紀、傍系のマリピエーロ家が著名であった。即ち大音楽家であったジャンフランチェスコ、その従兄弟のリッカルドとその一家の息子達、チェロ奏者であったもう一人のリッカルドである。」
  1. 2013/05/18(土) 00:09:10|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手を知ったヴェネツィアを先ず訪れて、イタリア各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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