イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

ヴェネツィアの建物: バルバロ・クルティス館(P.Barbaro Curtis)

グッソーニ・カヴァッリ・フランケッティ館の右に来るのは、オルソ運河(r.dell'Orso)の右にバルバロ・クルティス館が登場します。R.ルッソ 著『ヴェネツィアの建物』(1998)はこの建物を次のように紹介しています。
バルバロ・クルティス館「かつては大運河に面したバルバロ家の居宅であったパラッツォは、二つの建物を繋がった物として建てられ、ゴシックの方はジョヴァンニ・ボンに帰属し、バロックの物はアントーニオ・ガースパリの作品とされた。

1700年代の舞踏室はジャンバッティスタ・ティエーポロによって天井画が描かれたことで名高く、現在それはニューヨーク・メトロポリタン美術館所蔵となっている。また図書室も著名で、それはバルバロ家のような、文学者、好事家、美術愛好者を生んだ一家にとって必要欠くべからざるものであった。

有名な文献学者であり、大プリニウスの注解者であり、アリストテレースの研究者であったエルモラーオ・バルバロは、1491年アクイレーイアの総大司教に任ぜられた。こうして彼の曾孫がそうであったように、彼は哲学者であり、数学者であり、天文学愛好家であり、ウィトルウィウスの翻訳者であった。

キプロス戦争中コンスタンティノープルの大使であった弟のマルカントーニオと共に、1560年アンドレーア・パッラーディオに、パーオロ・ヴェロネーゼが壁面を飾ったマゼールの有名なヴィッラを注文した。2人の芸術家はお互い親友であり、2人の兄弟のお気に入りであった。
マゼールのヴィッラ・バルバロ[マゼールのヴィッラ・バルバロ。個人住宅故、内部はヴェロネーゼの絵等は見学のみで、撮影禁止でした。]
サンティ・ジョヴァンニ・エ・パーオロの修道士達のために、非常に世俗的な『最後の晩餐』を描いたために、検邪聖省から不敬であると糾弾された時、ヴェロネーゼを救ったのは、正にマルカントーニオであった。実際にはヴェロネーゼは『最後の晩餐』というタイトルを『レヴィ家の饗宴』と変更しただけだった。

輝かしき1700年代の後、共和国は滅亡し、バルバロ家は窮乏零落し、邸宅を売却せざるを得なかった。1885年米国のボストン人、教養豊かで洗練されたカーティス(Curtis)夫妻が館を購入し、新しい所有者となった。

カ・バルバロに Curtis 夫妻は文学者や芸術家を迎えた: ロバート・ブラウニング、ジョン・シンガー・サージェント[米人画家]、イザベラ・スチュワート・ガードナー[米人の芸術家のパトロン]、ヘンリー・ジェイムズ[彼の何度かある長期滞在期間のある時期にこの館で『アスパンの恋文』を書いた]、1908年の秋にはクロード・モネと妻アリスが滞在した。
黄昏、ヴェネツィア[クロード・モネ画『黄昏、ヴェネツィア』(ブリジストン美術館蔵)] 《南側の夏の熱気は、高い所まで装飾された部屋や素晴らしいホールの中に何時までも愚図ついていた。ぎっしり敷き詰められた床は清々しく、何百もの輝きの中で物影を映し出し、さざ波の立つ水面に照り返されて、陽光は震えるように開けた窓まで昇ってきて、壮麗な天井に映し出された陰影を弄ぶかのようだった。》――こんな風にジェイムズは小説『鳩の翼』の中でこの館を描写した。ここには今でも Curtis 家の子孫の人々が生活しているのである。」
[Curtis はヴェネツィアでは伊語式にクルティス or 英語式にカーティスと読むべきでしょうか?]
  1. 2013/09/28(土) 00:01:48|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手知ったヴェネツィアを先ずは訪れて、各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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