イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

天正遣欧少年使節(7)

仲間との集まりの会報に天正遣欧少年使節の事を書いたことがありました。これはその文章の転載ですが、読んで頂ければと思います。

「二度目にイタリアに行った時、ミラーノ発ヴェネツィア行の列車をヴィチェンツァで途中下車した。この町はルネサンスの大建築家アンドレーア・パッラーディオの手になる建造物が潤沢であり、中でもテアートロ・オリンピコは必見であった。それは屋内劇場として現存する世界初の建造物であり、日本人にとって取り分け、この劇場完成直後の祝賀公演中(1585.07)に、四少年ローマ使節が訪れ、その記念フレスコ画が劇場内に残されていると仄聞してのことだった。
天遣歐使節その劇場前室の壁面に飾られた、そのフレスコ画を初めて見た時、胸の底から熱いものが込み上げてきた。少年達は当時の交通事情の中で、3年も掛けて、ローマを経てこんな田舎町までやって来たのだという感慨だった。そのフレスコ画は、劇場での歓迎会に出席した彼らを描いたものだった。

ヴィチェンツァの後、ヴェネツィアに行った時、四使節のヴェネツィア訪問を記念した碑があると聞いていたので、色々のインフォーメイションでその在り処を尋ね回ったが、その碑のことを知っている案内所はなかった。そんな中で偶々日本人が駐在する旅行社を見付けて入った。ブレンタ河をブルキエッロ号という船で遡上しながら、その両岸に立つ、ヴェネツィア貴族達の避寒避暑用の瀟洒な建物を鑑賞するツアーへの参加予約のためだった。

その序に天正使節の事を聞いてみた。その日本人の職員は知らないとのことだったが、知り合いの司祭に訊いてみましょうと電話して下さり、渡された受話器から日本語を話すイタリア人司祭の声で直接碑の所在地を教えて頂いた。

場所はサルーテ教会に向かって左隣の総大司教神学校(セミナリオ)だと教わり、電話番号も教えて頂いた。ホテルに帰り、4度めの電話で見学を許可出来る人に通じ、翌朝11時に門の前に来るようにと指示された。

翌朝11時門前で待ったが誰も現れない。暫くして中へ入ろうとする人がいたので事情を話すと、電話で話した人に取り次いで貰えた。ここの先生と思しき人が現れ案内され、門を入ると直ぐにキオーストロ(中庭)がありその一番奥の壁面にそれはあった。後でゆっくり読めるように大写しで写真を数枚撮った。深謝して直ぐに神学校を後にした。
天正遣欧使節の碑神学校訪問の数日後、《ブレンタ河ツアー》のブルキエッロ号にサン・ザッカリーア桟橋から乗船して、ブレンタ河口フジーナに向かった。ブレンタ運河はかつては本流であった。水流が潟に土砂を流し込み、潟が陸地化することを恐れたヴェネツィア共和国政府は、潟の外のアドリア海に本流が流れるように掘削して放水路を設け、ブレンタ河は運河化したのである。

このブレンタ運河にはレオナルド・ダ・ヴィンチ考案の閘門が3基あり、河の運河化はその頃のことだろうか。帰国して読んだアレッサンドロ・ヴァリニャーノの『デ・サンデ版 天正遣欧使節記』新異国叢書5(泉井久之助・長沢信寿・三谷昇二・角南一郎訳、雄松堂書店、1955刊)の中に、この閘門の詳細が書かれており、少年使節はこの運河を通ってヴェネツィアからパードヴァへ向かったことが分かった。」
 ――《天正遣欧少年使節》(8)に続く。

キエーティ生まれのA.ヴァリニャーノはパードヴァ大学で学んだ人ですから、直ぐ近くのブレンタ運河のレオナルドの閘門のことは熟知していたに違いないと思われます、そんな『デ・サンデ版 天正遣欧使節記』の詳しい記述です。
  1. 2013/11/20(水) 00:05:43|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手を知ったヴェネツィアを先ず訪れて、イタリア各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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