イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

ヴェネツィアの建物: クェリーニ・パポッツェ館

サンティ・ジェレミーア・エ・ルチーア教会、ラービア館の右にはカンナレージョ運河があり、その対岸の運河出口にはエーモ館があり、クェリーニ・パポッツェ館と続きます。後者の館について『大運河』(1993)は次のような事を語っています。
クェリーニ・パポッツェ館ほか「無名の人の手になるものではあるが、機能的な大建築物であり、クェリーニ家が建てたものである。長いファサードは四角形の単純な開口部である窓が続くところに特徴がある。ローマ起源の古い家柄で、クェリーニ家は24家の“古い”家柄の一つであり、現在でも幾つにも分かれた分家の一つとして存続している。

1000年代から重職に就いたこの家の人々の名前が残っている。著名で、信頼に足る一家であったので、代々騎士の称号が与えられてきた。

その後第4次十字軍の時、一家のジョヴァンニはスタンパーリ島の支配者となり、1537年のトルコ軍の占領まで一家の子孫はその地に存続していた。1310年のバイアモンテ・ティエーポロの謀反の時、一家の政治的危機は最高になった。クェリーニ家の男が夫であるその一家はティエーポロに支えられていたのだった。

しかしティエーポロ家のように、クェリーニ家はヴェネツィアに栄えある艦長や勇敢な船員、法律家、文学者を送り込んだ。1431年フランドルに向かっていた時、仲間とともにノルウェー北西部のルーフテン諸島(Lofoten)の無人島に行き付いてしまった、そのピエートロが有名である。

近くの島の漁師によって安全な島に救助され、彼らと暫く生活し、陸路ヴェネツィアまで戻ることが出来た。これらの未知の土地について素晴らしい報告書を書き、北極圏探査の先駆者の一人として自称することになる。

クェリーニ家は大変裕福で、リアルト地区にも邸館を構えていた。しかしその相続人は3人の兄弟で、その兄弟の内の2人はお互いに陰謀合戦をした。政庁はその館の3分の2を壊すことを命じ、政庁が獲得することになった。見せしめのために、公営屠殺場に充当された。

デンマークのフレデリク(Federico)4世が1709年にヴェネツィアを訪れた時、王のホスト役となったセバスティアーノ・フォスカリーニは王に敬意を表して大舞踏会を催した。その会の参加者の中にカテリーナ・コンタリーニとその夫、貴族のクェリーニの姿もあった。

彼女は素晴らしい真珠で着飾っていたのだが、それが床に撒き散らされる事態となった。というのは、彼女と踊っていた王の締め金が首飾りの紐に引っ掛かり、糸を切ってしまったのだった。

混乱した王は、真珠を拾い集めようと屈み込んだ。しかしソファーに腰を下ろしていたクェリーニは素早く立ち上がり、笑みを浮かべて王を押しやるとその真珠を踏み潰してしまった。それから妻は何事もなかったかのように、この周章狼狽した王と踊り続けたのであった。」

また『道、広場、運河』(Edizioni Helvetia、1989)という地図本はこの館について次のような事を記しています。

「ローマ出身の古い一家クェリーニから十字軍に参加したマルコという人物があり、また1255年にはパポッツェの敷地を手に入れ、子孫はクェリーニ・デッレ・パポッツェと呼ばれるようになった。

邸館は19世紀に改築され(その後にも修復の手が加わり)、クェリーニの紋章がファサードに取り付けられた。内部には初期からあったビザンティン様式とゴシック様式の要素が保存されており、素晴らしい庭園を見ることが出来る。」
  1. 2014/07/03(木) 00:04:24|
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手知ったヴェネツィアを先ずは訪れて、各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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