イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

文学に表れたヴェネツィア――真鍋晶子

前回『ヘミングウェイとパウンドのヴェネツィア』(今村楯夫/真鍋晶子著、彩流社、二〇一五年一月二十日)という本を読んだことを書きました。この本の後半は、真鍋晶子氏のエズラ・パウンドについての評伝です。パウンドの長編詩を声を出して読んでいると高揚した気分になり、意味が分からなくても分かったような気分で何か満たされます。

パウンドについては、今まで2010.08.15~08.14日のエズラ・パウンド(1、2)や2013.01.05日のエズラ・パウンド 3等で触れてきました。尚、オルガ・ラッジについては2009.11.07日のブロツキーで触れています。少しこの本からの引用をしてみます。
『ヘミングウェイとパウンドのヴェネツィア』「  秘密の巣
パウンドには五十年にわたって恋人でありパートナーであり続けた女性がいた。オルガ・ラッジである。パウンドと出逢った時にオルガはすでにヨーロッパでヴァイオリニストとして活躍していた。出身はアメリカ、オハイオ州だ。

二人の接点は、一九二〇年十一月ロンドン、イオニアン・ホールでのオルガの演奏について、パウンドが《繊細な堅固さをもつ》とのコンサート評を『ニュー・エイジ』誌に載せた時に初めて見られる。ふたりが個人的に親しくなったのは、一九二三年パリ、ナタリー・バーニーの芸術家サロンにおいてであった。

一九二八年、オルガはヴェネツィアに家を購入し、パリを離れた。新居はドルチュオーソ地区のケレーニ通り(カーレ)二五二番地にあり、パウンドはこの家を《秘密の巣》と呼び、愛情に支えられ、想像力と創造力を溢れ出すことの出来る、ヴェネツィアにおける住処とした。

パウンドが妻ドロシーへの愛情を持ち続けたこともあり、パウンドが、オルガ、ドロシー、三者の確執は実に四〇年にわたって続いた。一九二五年以後パウンドはドロシーとの住居を北イタリア、ラパッロ[Rapallo in Liguriaのこと]に定め、この《公式》の本拠地を持つと同時に、ヴェネツィアでの滞在も長期に渡った。

一九六一年、パウンドより一歳年下のドロシーが、もはや高齢の自分の手に負えないと、九歳年下のオルガにパウンドを托し、パウンドが一九七二年に亡くなるまでの最期の十一年間をオルガと過ごした家がここだ。

オルガは、音楽家として自立した人生を送りながら、パウンドとの愛情関係を確実に育んでいたが、ドロシーが介在する長い時間が精神に与えて来た苦痛から解放された際の喜びは測り知れないものだった。 ……」
オルガ・ラッジの家この本に書かれたオルガとパウンドの《秘密の巣》に至ろうとしても、上記の文面では難しいのではないかと思います。右のサルーテ教会が見える地図をご参照下さい。Dorsoduro(ドルソドゥーロ)区252番地は、Rio de la Fornace(フォルナーチェ運河)のPonte de Mezo(メーゾ=伊語Mezzo(メッゾ))橋傍の、Calle Querini(クェリーニ通り―CalleはCaleとも書かれ、Lは無音で〝カーエ″と発音されたりします。脱皮した蟹のモエーカmoeca(moleca)と同じ)の奥に向かって右手に、252番地[地図下部254番地の隣]があります。2年前に訪ねた時は、ドアにオルガ・ラッジの名刺が張ってありました。この通りの突き当たりにストラヴィーンスキイが住んでいたことをこの本に教えられました。
  1. 2015/08/06(木) 00:03:07|
  2. ヴェネツィアに関する言葉・文学
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手を知ったヴェネツィアを先ず訪れて、イタリア各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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