イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

コンメーディア・デッラルテ(1)

8月の晴れた日々、日中の日差しは痛いように暑くても、建物の日陰に入ると涼しいと感じるほどで、ヴェネツィア人が "Che afa !"(何という蒸暑さ)と言うほど、日本人として蒸暑さを感じませんでした。潟(ラグーナ)の中の島で湿度はあっても、日本ほどではない気がいたします。

そんな暑い日も夕方になると、一天俄かに掻き曇って雷鳴を伴った嵐になることがよくありました。そんな雷がサルーテ教会の書庫を直撃し、建物が壊れ、書籍が四散する事故があり、友人になった、サン・ラッザロ・デッリ・アルメーニ教会付属図書館の古書の修復が仕事の仏人のベアトリスが、このサルーテ教会の壊れた本の修復にも招請されたと話してくれたことがあります。

その彼女が、VDV(Venezia da vivere――体験都市ヴェネツィアとでも訳しましょう)と称する文化活動として、有料・無料で演劇、音楽、展示等の行事をラグーナ内の各地で行っていることを教えてくれたので、その予定パンフレットを探し、手に入れました。

リード(Lido)島の奥マラモッコ(Malamocco)のマッジョーレ広場(Piazza Maggiore――リード島では広場は campo ではありません)で屋台を組んで行われた無料の『D'Amore rapito』というコンメーディア・デッラルテの催しには、ベアトリスが案内してくれました。

ヴェネツィア語やベルガモ語で演じられているに違いないこの手の芝居は科白は分からなくとも、大まかな粗筋が辿れ、それも奇想天外な話でしょうから、急転直下の逆転劇(colpo di scena、peripezie)があれば、ドタバタ的中世喜劇が楽しめます。昔から伝わるコンメーディア・デッラルテの梗概の定型化したもの(canovaccio)は1000余りもあるのだそうです。

この催しの一環でムラーノ島のサンティ・マリーア・エ・ドナート教会の後陣を舞台背景に行われた古曲の合唱を聴きに行った時、合唱団の一員として、語学学校で私のイタリア語の先生であり、暫く会っていなかったステファーニア先生が歌っているのが分かり、演奏会後、声を掛けると、教会事務室の一隅で開かれた、ワインやチケーティでの団員達の慰労会にまで呼ばれ、旧交を温めてしまいました。恋人の男性や母上にまで紹介されました。

VDVパンフレットにあるアルセナーレ内部の Teatro alle Tese での有料の演劇を見に行ったところ、会場入口の係りの人に何故か間違えられ(伊語を間違えたに違いありません)、期せずして、アルセナーレ構内最奥部の広場で催された《火のパフォーマンス》に立ち会うチャンスが舞い込んできました。これは絶好のチャンスですので、普段は入場出来ないこの内部を見学して回りました。

パンフレットの予定に出ている『Arlecchino militare』という題のコンメーディア・デッラルテは、サント・ステーファノ広場(Campo S.Stefano)の一角、ベネデット・マルチェッロ音楽院前の都合よく四方を取り囲まれたピザーニ(Pisani)広場に仮設の舞台が組まれ、入場料も10ユーロという安さでした。

芝居が始まる前、入場すると、街歩きで《隠れたヴェネツィア》を案内説明してくれる、語学学校のマルコさんに出会い、"Quant'e` piccolo il mondo !" (世間って、狭いんだ)と思ったことでした。ヴェネツィアって、やっぱり狭い街だということでしょう、本土の町のように城外に広がっていける余地など皆無ですから、中世以来そのままの街なのです。
  1. 2008/08/10(日) 00:01:46|
  2. 大道芸
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手を知ったヴェネツィアを先ず訪れて、イタリア各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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