イタリア、とりわけヴェネツィア(Italia, soprattutto Venezia)

ヴェネツィア偏愛、時には脱線。

Campo Do Pozzi(D)(二つの井戸広場)

2度目の語学留学をしたのは、語学学校(Istituto Venezia)のマッシモ先生のお宅をお借りしてのことでした。アルセナーレ(Arsenale)のすぐ西にあるド・ポッツィ広場(Campo Do Pozzi)から北に向かうマーニョ通り(Calle Magno)にその家はありました。

停留所アルセナーレからカ・レッツォーニコ(Ca’ Rezzonico)駅までヴァポレットで、ヴェネツィア定期券(CartaVenezia)を購入して学校に通いました。現在ヴァポレットの値段が上がり、定期券も何がしか変更になったようです。

Do(ヴェネツィア語)=Due(伊語、二つの意)なので、この広場は《二つの井戸の広場》の意味ですが、ここカステッロ区(sestiere di Castello)以外にも、サン・マルコ区の3月22日大通り(Calle Larga XXII Marzo)南のCorte dei Do Pozzi や、カンナレージョ区(Canaregio)のサンタ・ソフィーア運河(Rio Priuli o S.Sofia)脇の Ruga Do Pozzi 等《ド・ポッツィ》の地名があります。地図によっては Due と書いてあるものもあります。

ド・ポッツィ広場のバーカロ(bacaro)、オステリーア・アイ・フォルネーリ(Osteria ai Forneri)でよくコーヒーやオンブラ(特に白ワイン)を飲んだ(バーカロはアルコール類だけを出すところが多いようです)ので、そんな折、現在井戸は一つしかないのに何故 Do(二つ)なのか、ここで傍にいた人に尋ねたことがあります。その人はこの土地生まれではなかったのか、知らないという返事でした。
ド・ポッツィ広場[井戸が一つだけ見えるド・ポッツィ広場] Giuseppe Tassini 著『Curiosita` veneziane』(1863、Filippi Editore 再刊)という本を帰国して読んでみると、やはりかつては井戸が二つあったようです。

伊映画『ベニスで恋して(Pane e tulipani)』の中で、女主人公のロザルバとコスタンティーノ探偵が出会いの場所として《井戸の広場》に決めます。翌朝2人が会った場所が画面に映し出された時、それが毎日目にしていたド・ポッツィ広場だったのでジーンと胸が熱くなりました。
「ベニスで恋して」パンフレット[映画パンフレット] 映画では《カンポ・ド・ポッツィ》と発音されましたが、字幕は《井戸の広場》だったので、映画の訳者には Do の意味は分からなかったかもしれません。映画ではツィンツィアと発音されていた人名が、字幕では英語のシンシアとなっていましたから。

フォルネーリの主人は、映画撮影時、ここの内部からも撮影したけれど、映画ではそのシーンはカットされていた、と教えてくれました。ヴェネツィア映画は当たらないというジンクスがあるそうです。スィルヴィオ・ソルディーニ監督自身はこの映画を観客動員2万以下と予想したのだそうですが、130万超の観客に見られたヒット作となったのです。

ある日夜遅く帰宅前に立ち寄ると、カウンターの上だけ明かりが点いていました。奥のテーブルのあるスペースは暗くなっていて、ぎっしり人が居り、TV のサッカーを見ていました。試合終了で明かりが点くと、40人ぐらいの人が立ち上がったでしょうか。

何人かの人に、中田のローマはよくやったと言われ、握手を求められました。ユヴェントゥスとローマが闘い、0:0の引き分けの試合でした。この日は中田英寿選手は出場しませんでしたが。

このバーカロにはこの地域のサッカー・チーム《ソニー》の選手達の写真が飾ってあり、ユーヴのスポンサーだったソニーの名前をチーム名としていました。TV 放映の時は、ビアンコネーリ・ファンが集まるようです。

近所の高校生らしい青年が、よくチェス盤を抱えてやって来て、店の主人とチェスを指していました。客そっちのけのこの闘いは見ていて、昔日本でもあった縁台将棋そのままで楽しい見物でした。

クリスマスの前には、大きな albero di Natale(クリスマストゥリー)を広場に立て、店の主人が一人飾り付けをしていました。まるでこの店の広場であるかのようですが、近所の人達もそれを楽しんでいる風が傍目にも分かりました。
  1. 2007/10/28(日) 02:17:37|
  2. バーカロ
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ペッシェクルード(Pescecrudo)

Author:ペッシェクルード(Pescecrudo)
初めてイタリアに行ったのは1994年、ヴェネツィアには即一目ぼれ。その結果、伊語会話勉強のためにヴェネツィアの語学学校に数年間の間、何ヶ月にも渡り通いました。
その後勝手を知ったヴェネツィアを先ず訪れて、イタリア各地にも足を伸ばしています。
東京に住んでいるので、憧れのヴェネツィアについて何かしら触れているとヴェネツィア気分で楽しいのです。

*図版・写真はクリックすると拡大されます。

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